八重洲・日本橋・茅場町周辺再開発 x 江戸時代 x 江戸東京博物館


八重洲・日本橋・茅場町周辺再開発を整理する際、江戸時代の名残には自然に出会う。現代において、最も体現しているのが江戸東京博物館だ。

八重洲・日本橋・茅場町周辺再開発x江戸東京博物館

ブログ内「八重洲~日本橋・茅場町周辺再開発タイムスケジュール」では主に2021年から2027年、さらにはその先に竣工予定の再開発をリストアップしている。各再開発を整理していると自然と江戸時代の名残に出会う。街を歩きながら学んだ知識を体現できるのが墨田区の両国駅、両国国技館に近い江戸東京博物館だ。
 
マップ
 
両国国技館
両国国技館

添付HPによると、大江戸博物館の役割は以下の通りだ。

東京都江戸東京博物館は、江戸東京の歴史と文化をふりかえり、未来の都市と生活を考える場として平成5年(1993年)3月28日に開館しました。高床式の倉をイメージしたユニークな建物で、開館以来、東京を代表する観光スポットとして、多くのお客様にご来館いただいております。

常設展は、徳川家康が江戸に入府してから約400年間を中心に、江戸東京の歴史と文化を実物資料や復元模型等を用いて紹介しています。さらに、1階展示室で開催される年5~6回の特別展に加えて、講座や体験教室など様々な活動を展開しています。

東京の新しい文化創造の拠点として、また皆様の憩いの場として、大いに活用していただけることを願っています。

 
常設展では22のコーナーがあり、それぞれ模型を使って丁寧に解説されている。以下、いくつかのコーナーについて取り上げる。
 
「江戸城と町割り」では実物大の日本橋を渡って江戸時代にタイムスリップできる。1590年(天正18)、関東に入った徳川家康は江戸を本拠地とし、1603年(慶長8)に征夷大将軍となると、この地に幕府を開く。家康は、日本橋を中心に堀や道を設け、江戸城の周囲に武家や町人、寺社などの居所を定めた「町割り」を行った。
 
日本橋。国指定重要文化財。1603年に初めて架橋された。日本橋の向こうには日本橋三越が見える。
 
日本橋北神田浜町絵図
 
 
 

「出版と情報」ではブログ内「八重洲・日本橋・茅場町周辺再開発x江戸時代x浮世絵」で取り上げた錦絵(浮世絵の一種)など江戸独自の出版文化の発展を伝えている。

歌川広重の「日本橋 朝之景」(東海道五拾三次)

 
「江戸の商業」ではブログ内「八重洲・日本橋・茅場町周辺再開発 x 大規模商業施設」、ブログ内「日本橋室町一丁目再開発 三井不動産」などで取り上げた日本橋三越の原点である「三井越後屋江戸本店の店先売りの様子」(復元年代 19世紀前期、縮尺 1/10)の模型が展示され、当時の商取引の様子が解説されている。
 
 
日本橋三越。本館は日本で初めてのデパート。国指定重要文化財。1914年に完成したルネッサンス様式。
「芝居と遊里」では江戸の人々にとって最大の娯楽だった歌舞伎を取り上げている。舞台や芝居小屋の変遷、江戸の人々のあこがれの的であった役者たちについて展示している。
 
中央通り沿いの京橋にある「江戸歌舞伎発祥の地
 
 
 
「江戸から東京」では江戸東京博物館からほど近い本所亀沢町(現在の墨田区)に生まれた幕臣勝海舟に注目し、江戸が首都・東京となっていく時代の大きな転換期をあつかう。ブログ内では「勝海舟 明治維新150周年(2018年)を前に都内ゆかり場所整理 with 祝・NHK大河ドラマDVD発売(2016年12月22日)」で取り上げている。
 
 
江戸開城
 
以下は勝海舟生誕の地である両国公園。
 
両国公園
 
「関東大震災」では東京の都市構造を一変させるきっかけとなった災害を取り上げ、それに立ち向かった人々の姿に迫る。各再開発を整理すると、ブログ内「八重洲・日本橋・茅場町周辺再開発x「復興建築 モダン東京をたどる建物と暮らし (味なたてもの探訪)」で取り上げたように、1929年の関東大震災で倒壊した建物、持ちこたえた建物、その後復活した建物に出会う。
 
 
 
江戸東京博物館では企画展を随時開催している。2021年1月2日(土)~2月23日(火)には「和宮 江戸へ-ふれた品物 みた世界ー」が開催される。以下がその概要だ。
 

江戸時代において、将軍および将軍世子の正室は、3代徳川家光の正室孝子以降、宮家・摂家などから迎えるのが習わしでした。そのなかでも異例だったのは、皇女との婚姻です。仁孝天皇の皇女で孝明天皇の皇妹和宮は、14代家茂の正室として降嫁しています。このように、将軍の正室の多くは公家社会の出身で、彼女たちを介して京都の宮廷文化が江戸城の奥に浸透しました。

 和宮は、大奥における生活習慣を武家風と御所風の和合に努めた人物です。では、その和宮は江戸城において何を見て、どのようなものに触れ、いかなる暮らしをしていたのでしょうか。

 本展覧会では、徳川宗家に伝来する和宮が使用した調度品をはじめ、孝明天皇から和宮が拝領した銀製品、和宮直筆の和歌や消息などを中心に、東京都江戸東京博物館所蔵品を加え、和宮が実際に見たり触れたりした様々な作品を展示します。これらの作品を通して、和宮の内面や暮らしぶりを感じていただきたいです。