八重洲・日本橋・茅場町周辺再開発 x 世界の都市総合ランキング(Global Power City Index)


2020年12月8日、森記念財団 都市戦略研究所が、「世界の都市総合力ランキング(Global Power City Index)2020」を発表した。東京はロンドン、ニューヨークに次ぐ3位だ。

世界の都市総合ランキング(Global Power City Index、GPCI)

ブログ内「八重洲~日本橋・茅場町周辺再開発タイムスケジュール」では主に2021年から2027年、さらにはその先に竣工予定の再開発をリストアップしている。各再開発を整理していると、世界の総合都市ランキング上昇へのヒントとなるケースが多い。
 
詳細は添付HPに譲るが、今年はトップ3都市の順位変動はなかったものの、偏差値の変動で比較すると1位のロンドン、2位のニューヨークが東京とパリを引き離す結果となった。7位のベルリンは経済や居住、環境の分野でスコアを伸ばし、ソウルと入れ替わりで順位を1つ上げた。トップ10都市の中で昨年から唯一顔触れが変わったのが上海で、5つの分野でスコアを伸ばし、大きく躍進した。
 
世界の都市総合ランキングはランキングは、世界の主要48都市を選定し、都市の力を表す6分野(「経済」「研究・開発」「文化・交流」「居住」「環境」「交通・アクセス」)における70の指標に基づき評価し、今回が13回目となる。
 
私が注目している八重洲・日本橋・茅場町周辺再開発を整理していると、質量ともに東京のランキング上昇に一定の貢献すると思われる。以下、分野別に確認したい。
 
 

八重洲・日本橋・茅場町周辺再開発x東京の都市力向上

 
  • 「経済」
ブログ内「八重洲~日本橋・茅場町周辺再開発タイムスケジュール」に現段階で明らかになっている全てのスケジュールを掲載しているが、オフィスビルが中心となっているので、経済という観点からはほぼ全てが大きく貢献すると思われる。東京は現在4位。
 
  • 「研究・開発」
ブログ内「八重洲・日本橋・茅場町周辺再開発xライフサイエンス事業x武田グローバル本社など大手製薬会社」やブログ内「八重洲・日本橋・茅場町周辺再開発x宇宙ビジネスx「X-NIHONBASHI」」で取り上げたように三井不動産が大きな役割を果たそうとしている。東京は現在3位。
 
三井不動産が主導する日本橋再生計画第3ステージの3つの重点構想は1)新たな産業の創造で、2)豊かな水の再生と3)世界とつながる国際イベントの開催となっている。1)新たな産業の創造の中に、「ライフサイエンス」、「宇宙」や「モビリティ」、「食」が含まれている。
 
一例としてブログ内「八重洲二丁目北地区第一種市街地再開発事業 三井不動産」にあるように、開発区域内外に「電気」と「熱」を供給するエネルギーセンターが設置され(開発区域外にも送配電する「特定送配電事業」は三井不動産としては日本橋、豊洲エリアに次いで 3 番目の事例)環境負荷低減に資する。
 
今後竣工されていく再開発は環境負荷低減は必須になっているので全体としてその役割は増えていくことになる。さらに、ブログ内「八重洲・日本橋・茅場町周辺再開発x東京高速道路(kk線)廃止・緑地化構想x築地アメニティ整備構想」のように緑地化に貢献するプロジェクトもある。
 
日経新聞記事によると、ブログ内「TOKYO TORCH 常盤橋タワー 三菱地所」などで取り上げた鉄鋼ビルの増岡社長は「企業の働き方や働く場所が変わるなか、オフィスも選ばれる時代に入った」とし、同ビルで使う全電力を再生可能エネルギー由来に切り替える(2021年1月にバイオマス発電に変更する)。既存ビルでも積極的な動きが出てきているようだ。
 
東京は現在18位とトータルの足を最もひっぱっている。
 
  • 「交通・アクセス」

    「八重洲二丁目北地区第一種市街地再開発事業」(2022年竣工予定)、「八重洲二丁目中区再開発」(2025年竣工予定==>2028年竣工予定?)、「東京駅前八重洲一丁目東B地区市街地再開発」(2025年竣工予定)の八重洲口3大ミクストユース大規模複合再開発が関わるバスターミナル整備が公共交通機関利用率上昇に貢献する可能性がある。東京は現在7位。