浮世絵を意識し始めたところ早くも展覧会・TV番組を通し楽しむ機会に恵まれ驚いている。 視覚的にも構図・色使いが斬新で、歴史・当時の文化も学べ一生つきあえそうだ。
自分のための基礎の基礎早見表(含むリンク、絵師の生まれ順、絵はパブリックドメインより膨大な作品のうちごく一部)。末尾には
「絵師・彫師・摺師の人手不足が大きな課題となっている江戸木版画の技術保存と継承を目指す現代浮世絵」についても記した。

菱川 師宣(1618~1694)最初の浮世絵師(浮世絵の祖)
喜多川歌麿(1753頃~1806)
葛飾北斎(1760頃~1849)
歌川国貞(1786~1864)三代目歌川豊国
東洲斎写楽(1763~1820という説が有力)
歌川国芳(1797~1861)
歌川広重(1797~1858)
#「世界に誇る日本人芸術家の作品を結集したシンボリックな美術館を東京に創設できないか」
- 菱川 師宣(1618~1694)最初の浮世絵師(浮世絵の祖)
『見返り美人図』 - 喜多川歌麿(1753頃~1806)美人画の大家。
江戸幕府は世を乱すものとして度々制限を加えたが、歌麿は判じ絵などで対抗し美人画を書き続けた。しかし文化元年(1804年)、豊臣秀吉の醍醐の花見を題材にした浮世絵「太閤五妻洛東遊観之図」(大判三枚続)を描いたことがきっかけとなり、幕府に捕縛され手鎖50日の処分を受ける。これは当時、豊臣秀吉を芝居や浮世絵などにそのまま扱うことは禁じられていたことに加え、北の政所や淀殿、その他側室に囲まれて花見酒にふける秀吉の姿が当代の将軍・徳川家斉を揶揄する意図があったと見なされたためである(ウィキペディアから抜粋)。
GW前に大阪城天守閣に行ったが、「大阪夏の陣を中心とした常設展」と没後400年となる徳川家康の「神君家康」という特別展は秀吉から家康への流れ詳細を視覚的にも楽しめた。
先日鑑賞した「奥村土牛展」の『醍醐』の桜は奥ゆかしくて綺麗だった。『当時3美人』 『ふり返り』 『ビードロを吹く娘』
醍醐の花見(大阪城天守閣で撮影。歌麿の作品ではなく屏風。) 神君家康(大阪城天守閣) 大阪城
年2回発行のガイドブック「吉原細見」で大儲けした蔦谷重三郎が歌麿の美人画や写楽の役者絵の版元だった。小説『だましゑ歌麿』を原作とした、水谷豊主演のTV番組もシリーズ化している。
- 葛飾北斎(1760頃~1849)
「富嶽三十六景」は各地から描いた富士山の景観。「北斎漫画」は絵手本として発行したスケッチ画集。「美の巨人」(4月16日)では富士山を画面いっぱいに書いた『凱風快晴』や『山下白雨』を特集。『凱風快晴』は赤富士で有名だが、山梨県側三つ峠から富士山の高さをバランス的に2倍にして誇張。『山下白雨』は静岡県側白糸の滝展望台(世界遺産)から高さを2培にし、上空2500メートルの位置からの姿を想像して描いたとのこと。通常は左側に書いた御坂山地が見えない。『神奈川沖浪裏』とともに「三役」と呼ばれる人気作品である。
5月3日に行った「原安三郎コレクション広重 ビビッド」でもこの3点は展示されており、じっくり堪能できた。
『神奈川沖浪裏』 『山下白雨』 『凱風快晴』
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(2016/8/27 19:53時点)以下は北斎の娘、葛飾応偽の作品。他の浮世絵では見れない、バロックのような光と闇。4月23日(土)、「美の巨人たち」ではメナード美術館保有の『夜桜美人図』を特集。
#葛飾応為(葛飾北斎娘)の生涯を描く、朝井まかて著「眩(くらら)」
『吉原格子先之図』 『夜桜美人図』
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- 歌川国貞(1786~1864)三代目歌川豊国。美人画、役者絵。
4月10日、「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」を鑑賞((4月22日、「ぶらぶら美術館・博物館」で特集。)。4月17日(日)日経新聞朝刊は「吉原 嘘とまことの三千世界㊥」で国貞の客と遊女が合う妓楼の2階の賑わいを描いた『吉原遊郭娼婦家の図』(国立国会図書館蔵)、夜桜見物の賑わい『北廓月の夜桜』(個人蔵)を掲載。
『吉原時計 亥ノ刻』。本文の絵ではなく、吉原つながり。 『稲瀬川勢揃いの場』 『八重織の霊』
ゴッホは『タンギー爺さん』(3枚のうち2枚で浮世絵を描いた)の背景に多くの浮世絵を模写しており、広重の絵とどもに、国貞の『三世岩井粂三郎の三浦屋高尾』も描かれている(2枚とも描かれているのはこの絵のみ)。
『タンギー爺さん』 『三世岩井粂三郎の三浦屋高尾』 新品価格
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(2016/8/29 11:21時点) - 東洲斎写楽(1763~1820という説が有力)
約10か月の短い期間に役者絵その他の作品を版行したのち、忽然と画業を絶って姿を消した謎の絵師として知られる。映画化されたこともあり、私は真田広之主演の『写楽 Sharaku』をTVで見た。
『三代目大谷鬼次の奴江戸兵』 『三世沢村宗十郎の大岸蔵人』 『市川鰕蔵の竹村定之進』
- 歌川国芳(1797~1861) 武者絵。猫大好き。エンターテイナー。
現在、「生誕300年記念 若冲展 東京都美術館」が開催されているが、現在の若冲ブームの起点になったのが、辻惟雄の『奇想の系譜』(1970年)だ。美術史上あまり評価されていなかった江戸時代の画家を6人取り上げ再評価を促したが、歌川国芳も入っていたのには驚いた。3枚続きの錦絵は依然からあったが、3枚それぞれが独自して鑑賞できる画面構成になっていた。国芳は発想の転換で3枚全体が1つの巨大な画面ととらえた。
添付画像は、「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」(4月10日鑑賞、「ぶらぶら美術館・博物館」でも4月22日特集)から、『物怪退治英雄譚』、『猫名の由来』、『讃岐院眷属をして為朝をすくふ図』、「原安三郎コレクション広重 ビビッド」(5月3日鑑賞)から『忠臣蔵十一段目夜討之図』、
「三田 綱の手引坂・日向坂(1)三田と麻布十番をつなぐ道 」の綱の手引坂とゆかりのある『一條戻り橋の辺にて髭切丸の太刀を以茨木童子の腕を斬』、猫絵の代表作の一つ『猫飼好五拾三疋』である。 -
『物怪退治英雄譚』 『猫名の由来』(歌川国芳) 讃岐院眷属をして為朝をすくふ図
『忠臣蔵十一段目夜討之図』 『一條戻り橋の辺にて髭切丸の太刀を以茨木童子の腕を斬』 『猫飼好五拾三疋』
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(2016/8/29 11:19時点) - 歌川広重(1797~1858)
5月3日に行った「原安三郎コレクション広重 ビビッド」では代表作品の「名所江戸百景」、「六十余州名所図会」の全てと「東海道五十三次」の一部を鑑賞できたが、「初摺り」ということもあり色彩の美しが際立っていた。今後浮世絵を観る時はこの水準を意識して比較したい。私のブログ全体でも広重の作品を最も使っている。添付画像は、「名所江戸百景」から自宅周辺の『増上寺塔赤羽根』、『月の岬』、『高輪うしまち』、「六十余州名所図会」からG7伊勢志摩サミット(5月26日、27日)が開催される『志摩』、先日の鑑賞した「奥村土牛展」の『鳴門』と同対象の『阿波 鳴門の大波』、「東海道五十三次」からは『箱根 湖水の図』である。
『名所江戸百景 増上寺塔赤羽根』 『名所江戸百景 月の岬』 『名所江戸百景 高輪うしまち』
『六十余州名所図解 志摩』 『六十余州名所図会 阿波 鳴門の大波』 『東海道五十三次 箱根 湖水図』
ゴッホやモネに最も影響を与えた浮世絵師。風景画を好むゴッホは浮世絵の3点模写し、内2点が広重の作品。モネの『睡蓮』にも影響。これらも「原安三郎コレクション広重 ビビッド」で鑑賞できた。
『大はしあたけの夕立』 広重とゴッホ 『亀戸梅屋舗』 広重とゴッホ 広重(『亀戸天神境内』)・北斎とモネ(『睡蓮』)
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浮世絵専門の施設美術館。毎月展示替えがある。
- 日伊国交150周年
「北斎、広重、歌麿—――西洋を魅了した日本の場所と様相」2016年9月~2017年1月、ミラノ、レアーレ宮殿(日伊国交150周年公式ウェブサイドへようこそ、日伊国交150周年イベントプログラム)も開催される。 - 仮名手本忠臣蔵
「高輪 山手線新駅・品川駅再開発(6)泉岳寺と赤穂浪士」にあるように個人的に縁のあるテーマ。人形浄瑠璃および歌舞伎の演目のひとつで大阪竹本で1748年に初演。「仮名手本」は赤穂四十七士を四十七文字になぞらえた。主要絵師の題材にもなっている。
- 現代の浮世絵
GW前の金沢・福井・大阪の旅で大阪駅のグランフロント大阪に立ち寄ったところ、たまたま「浮世絵プロジェクト 今を描く浮世絵展」に出会った。「ももいろクローバーZ vs KISS」や「NARUTO」など現代作品とのコラボレーション等で、絵師・彫師・摺師の人手不足が大きな課題となっている江戸木版画の技術保存と継承を目指している。「三田 綱の手引坂・日向坂(5)綱坂と神明坂 」で取り上げた山口晃氏の浮世絵「新東都名所」シリーズや、米タイム誌「影響力ある100人」に選ばれたばかりの草間彌生による「わたしの富士山」展(2015年開催、アダチ伝統木版画技術保存財団 )も目的は同じである。現代浮世絵イベント(グランフロント大阪) 浮世絵プロジェクト 絵師 石川真澄
接吻4人衆 KISSとももクロ 歌川広重とNARUTO