本日の日経朝刊「春秋」で辻氏の若冲との出会いについて書かれている。若冲大ブームの最大の要因は作品そのものであるのは間違いないが、大ブームになる過程のドラマも人々を魅了しているのではないかと思う。 
辻惟雄と伊藤若冲の出会い
伊藤若冲展は先日鑑賞し、ブログにものせたが(「生誕300年記念 若冲展 東京都美術館」)、その中で、「昨今の若冲大ブームのきっかけは、2000年、京都国立博物館で開催された若冲展(没後200年)だが、最大の貢献は辻氏が1970年に出した『奇想の系譜』だ。」と書いた。
日経朝刊「春秋」では、私はまだ読んでいない(家内は読んだらしい)『奇想の発見』を引用し、「辻氏が『奇想の系譜』を書いた時はまだ動植綵絵の実物を見てなかった。宮内庁所蔵で一般公開していなかったからだ。1970年の夏、虫干しの際に特別に見せてもらい、彩色のすばらしさに驚いた。若冲の世界的収集家、プライス夫妻も同席し、涙を拭っていたという」と書いている。
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ドイツの研究者とジョルジュ・ド・ラ・トゥールとの出会い
20世紀初頭まで存在が再認識されなかったジョルジュ・ド・ラ・トゥール(1593年~1652年)の作品を観たドイツの研究者ヘルマン・フォスも同じような感覚であったのだろうか。ラ・トゥールに大きな影響を与えたのがカラヴァッジョである(「カラヴァッジョ展 国立西洋美術館」)。
東京国立近代美術館に眠る大叔父の彫刻作品
私は美術の専門性は皆無だが、会ったこともなく、全く無名である大叔父の生き方・作品を自分の手で広げたいという夢を持っている。彫刻のみならず、写真・広告・舞台装置等々様々な分野に関わっていたが40代で亡くなってしまったようだ。1930年代の銀座のバーでスパイ ゾルゲ(1895年~1944年)と大叔父が同じカウンターでお酒を飲んでいた可能性もゼロではないといった話はいくらでもあり、今でも調査継続中だ。