東京都は日本橋上空に架かる首都高速道路の地下化に併せて銀座を通る東京高速道路(KK線)を公共空間として利活用を検討している。さらに、築地アメニティ整備構想との連携も模索している。
東京高速道路(kk線)廃止・緑地化構想x築地アメニティ構想 with 日本橋首都高地下化構想
ブログ内「八重洲~日本橋・茅場町周辺再開発タイムスケジュール」では主に2021年から2027年、さらにはその先に竣工予定の再開発をリストアップしている。同様に大変興味のあるものの、東京オリンピック・パラリンピック延期や東京都の予算動向によって時間軸・内容とも不透明な状況で築地中央卸売市場跡地再開発に関しては様子見している。
既にブログ内「八重洲・日本橋・茅場町周辺再開発x日本橋の首都高地下化工事スタート」(地下化計画が2035年で現在の首都高撤廃が2040年)で取り上げた「首都高速道路日本橋区間地下化事業」に伴ってブログ内「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発 三井不動産 日本橋再生計画」がスタートし「豊かな水辺の再生」へ繋がる動きを取り上げているが、同地下化事業は東京高速道路(kk線)廃止構想にもつながっており注目されている。
東京高速道路が廃止され緑道化されることになれば、築地川アメニティ整備構想とも連携されることになり、築地中央卸売市場跡地再開発含めた銀座・築地という街の変化がよりダイナミックなものになると期待される。冒頭写真は築地アメニティ整備構想の一部で「誰もが体験・交流・発信ができるパブリックスペース」のイメージ図である。
さらに、東京高速道路を挟み2区間に分かれている首都高の都心環状線・八重洲線(千代田区の神田橋JCTから港区の汐留JCTへ至る)は北側の大部分が八重洲トンネルで東京駅の東側を地下で通過し、呉服橋交差点付近より八重洲口付近の外堀通りの地下を通り、鍛冶橋交差点南側で地上に出て西銀座JCTで東京高速道路に合流する。「八重洲二丁目南地区再開発」とも隣接している。
これら、呉服橋交差点、外堀通り、鍜治橋交差点はブログ内「八重洲・日本橋・茅場町周辺再開発 x主要道路 x新川から隅田川へ」やブログ内「八重洲・日本橋・茅場町周辺再開発x橋(2)地名として残る橋」で取り上げている。
築地川アメニティ整備構想はでかつて流れていた築地川上の高速都心環状線上で計画されており、個人的にこの10~20年ライフワーク的に追い続けようとしている2大テーマである八重洲・日本橋・茅場町周辺再開発と築地中央卸売市場跡地再開発がつながる内容として非常にエキサイティングなプロジェクトになる。
以下、東京高速道路(kk線)廃止・緑地化構想と築地アメニティ構想をそれぞれ整理する。銀座が緑で囲まれることになる日が待ち遠しい限りだ。

東京高速道路(kk線)廃止・緑地化構想
1966年に完成した東京高速道路(kk線)は全長2㎞の自動車専用道路で飲食街「銀座コリドー街」や商業施設「銀座ファイブ」、「銀座インズ」、「銀座ナイン(1、2、3)」など14棟のビルの屋根の上を、銀座エリアを取り囲むように通過する首都高速道路につながる高架道路である。土地は東京都が保有し、東京高速道路は、そのテナント料で道路の維持費をまかない、無料の自動車専用道路を提供している。
汐留JCT手前の蓬莱橋(昭和通りの当たり)から、京橋JCT手前の新京橋(昭和通りのあたり)までとなり、廃止になるのは渋滞解消を目的にした首都高・日本橋区間の地下化に伴い、首都高のルート変更によってKK線の通行量が大幅に減ることが理由とされている。2030年以降廃止検討という記事もあるが時間軸は固まっていない。
以下KK線の路面が緑地化されることを想像しながら歩いてみた。

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以下、外堀通り沿いとなるが、遠くにブログ内「八重洲二丁目北地区第一種市街地再開発事業 三井不動産」の建設中のビルが見える。その前が東京駅八重洲口となる。実際には見えないが、手前にブログ内「八重洲二丁目中区再開発 三井不動産」や八重洲二丁目南地区再開発がある。

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ここからはブログ内「八重洲・日本橋・茅場町周辺再開発x橋(2)地名として残る橋」で取り上げた京橋川のあった上をKK線が通っている。


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以下がKK線の終着点となる。ここまでが廃止され路面上の緑地化が計画されている。

東京高速道路(kk線)廃止・緑地化構想に関して最新の内容
東京高速道路(kk線)廃止・緑地化構想に関して最新の内容は東京都都市整備局による「東京高速道路(kk線)の既存施設のあり方検討会」の第5回検討会資料(2020年9月24日開催)で示されている。
詳細は添付HPに譲るが、要点は
- 既存の高架を活用して路面を緑化し、歩行者向けの施設に用途転換する方向が固まった。
- 再整備に向けては、いままでの沿道建築物や道路周辺で検討中のまちづくりなどとの連携も想定し、人と緑の共存のシンボルとなるグリーンインフラの形成を目指す。
- 緑豊かなオープンスペースを設けるほか、次世代モビリティーの活用なども視野に入れている。
一方、国土交通省や首都高速道路、東京都などで構成する「首都高速都心環状線の交通機能確保に関する検討会」は、2020年3月10日に中間取りまとめを発表した。そのなかで、首都高速八重洲線が東京高速道路(KK線)と接続する西銀座JCT~京橋JCT間に地下トンネルを建設する方向性を明らかにしました。
新トンネル(別線)は、現在のKK線西銀座~京橋間の高架橋のほぼ真下に、長さ800mで建設される。

地元の東京都中央区では、KK線に加え、大規模改修する首都高都心環状線・築地川区間の上部に人工地盤を整備して緑道化する計画を検討している。それらが全てつながり、銀座エリア外周部にリング状の緑地帯を整備する「緑のプロムナード」構想が実現する。
具体的な区間は以下の図にあるように晴海通りを挟んで東京メトロ有楽町線が地下を走る新富2丁目の三吉橋から都営大江戸線が地下を走る銀座8丁目の千代橋の約1㎞が検討されており、銀座と築地の連続性が一層強化される。誰もが体験・交流・発信ができるパブリックスペースを創出するほか、大規模災害時には一時避難場所などとして機能する防災活動拠点を設けられる。
さらに、ブログ内「本の森ちゅうおう(仮称)とさらなる八丁堀駅周辺活性化」で取り上げたように、築地川区間の目の前に立地する中央区役所が、新庁舎建設の検討を進めており、移転して跡地再開発をするのか、移転せずに改築するのか不明で、その行方も注目される。
