昨年、横浜で傾斜マンション問題が発覚して以来、マンション購入者の問い合わせに、地盤改良や杭打ちなど基礎工事についてが加わった。恥ずかしながら、私のマンション購入時には全く気に留めていなかった事項だ。
傾斜マンション問題とは
詳細は日経アーキテクチャア記事に譲るが、2006年に横浜で販売された分譲マンションの傾斜問題が、2014年の住民による指摘を経て、2015年に発覚したことにより騒動になった。
その後、杭工事の施工報告書が提出され判明したのが、杭工事の際に測定した支持層の位置を示すデータの改ざんだった。傾斜が何によってもたされたか、杭工事の瑕疵が傾斜と関わるのかなど、不明な点が多いなか、マンション購入者とすれば何かしらの問い合わせをするのは自然のことだろう。
問題は素人が問い合わせ、データ・写真・説明を提供されたところで本質を見抜くことは極めて難しく、気休めの域をでないことだ。政府による信頼できる仕組み作りが必要されるゆえんである。
直接基礎と杭基礎
この問題が発覚した時、私も当然自分のマンションがどうなのかチェックした。最初、「直接基礎」とあり杭がなくて大丈夫かと思ったほど無知であったが、「構造物の荷重を直接良好な地盤に伝達する形式の基礎。地盤が良好な場合や、建物が比較的低層の場合に用いられる。」と初めて知った。
勿論、「杭基礎」が直接基礎に劣るということではなく、「主に軟弱な地盤における構造物の建設において、浅い基礎では構造物を支えることができない地盤の場合に、深く杭を打ち込み、構造物を支える」役割を果たしている。