奥村土牛展 山種美術館


3月27日、奥村土牛-画業ひとすじ100年のあゆみ-(3月19日~5月22日、山種美術館)を鑑賞。

奥村土牛(1889~1990)

先日鑑賞したカラヴァッジョの享年である38歳、院選初入選と遅咲きながら、40代半ばから名声を高め、100歳過ぎまで製作し続けた。16年ぶりの公開で、私の散歩コースでもある『麻布南部坂』、『鳴門』、83歳で描いた『醍醐』等の素晴らしさは勿論だが、この展覧会を通じて最も感銘を受けたのは、土牛が常に上を目指し、こつこつと挑戦し続けた生き方だ。作品を時間軸で観ながら感じることができ、一層感慨深かった。

奥村土牛の作品は奥村土牛記念美術館鎌倉とも乃でもまとまって観ることができる。

土牛と浮世絵

豊臣秀吉で有名な醍醐の桜は、喜多川歌麿『太閤五妻洛東遊観之図』(大判三枚続)でも醍醐の花見として有名だ。鳴門歌川広重『阿波 鳴門の大波』に描かれていた。時代を超えて芸術家の創作意欲を掻き立てる対象のようだ。

醍醐の花見

鳴門(広重)
『阿波 鳴門のか風波』(広重)

山種美術館には猫好きでなくても、どこかで見たことがある竹内栖鳳(1864~1942)の『斑猫』、速水御舟(1894~1935)の『炎舞』も所蔵されている。