帰国子女にはわからない英語上達法 公認会計士の場合


日経ビジネス9月5日号で、「英語が苦手でも大丈夫」という特集記事があった。通訳アプリや機械翻訳などITに活路を見いだそうとする企業の奮闘ぶりがテーマとなっているが、私が興味を持ったのは、公認会計士出身の方の英語上達法だ。

オンラインで英語を学べるサービスを提供するベストディーチャーの宮地社長の経験

宮地社長は公認会計士で、最初に就職した監査法人で外国人と働くことになり、慌てて英語を勉強した。以前は英語が苦手だったとのことで、読み書きも含めてのことなのかは不明だが、いずれにせよ私のパターンと非常に似ている。入社2年目の終わりにバハレーンに赴任することになり受験英語としての読み書きの成績は良かったが、スピーキング・リスニング能力は全くなかった。

宮地社長は会計士業界でよく使われる単語や表現を優先的に覚える重要性に気付き、暗記に努めた。3か月も続けると外国人が英語で何を話しているかが、次第にわかるようになったという。今では、当時の経験をもとにビジネス英語の学習カリキュラムを提供していらっしゃる。以下がそのノウハウとのことだ。メール・インターネットなどを有効活用できる時代では無かったが、肝は「無い袖は振れないので、重要なのは単語・言い回しといった言葉を知っているか知らないか」という点は共通している。

  1. よく使う表現をまず50ぐらい覚える
  2. 分からないときは即答せず、メールで返す。
  3. 正しい表現に迷ったら、インターネットで検索
  4. ヒアリングは英語と日本語を交互に行う
  5. 発音より声の大きさが重要

金融マンとしての経験

現代ビジネスの「日本人の英語下手」関連記事を読む余裕もないほど英語習得しなければならない方へ」で書いたが、中近東の金融機関に勤めるような現地人は皆、国が欧米へ留学させており、ビジネス言語は英語だった。デイリーの電話や中東各国への出張の前に、できるだけ多くの文章・専門用語を暗記し、現場で聞き取れない時はビジネスなので想像と聞き返しのバランスを何とか取りながら、常に悪戦苦闘していた。

自宅では英字新聞のリーディングや、CNN含めたテレビのリスニングをこつこつ続けた。勿論、会社・自宅に限らず、専門用語や使える言い回しは常にメモを取り続けた。次の章の内容は全て当時に積み上げたものだが、4年間の中近東・6年間のロンドンの計10年でかなりの数になってしまった。その後、帰国し2年で外資系に転職し16年過ごしたが、ビジネスのみならず、英語力のベースも海外での10年間に構築できたのは言うまでもない。

以下の、「帰国子女にわからない上達法」はそんな英語を使わなくてはならなくなった方のために整理した。ビジネスマンのための専門用語総括では会計用語だけは別枠となっている。

帰国子女にはわからない英語上達法

先日、このカテゴリーで、(1)「帰国子女にはわからない英語上達法 実用英語として身につけておくべき文法・表現・ニュアンス」と、(2)「帰国子女にはわからない英語上達法 ビジネスマンのための専門用語総括」を書いた。受験英語のみをひっさげて、入社3年目で海外赴任し、10年の海外での実務経験と14年の外資系での経験をベースにした。私のように社会人になってから実用英語をスタートしている方にとっての一助となれば幸いだ。

(1)「帰国子女にはわからない英語上達法 実用英語として身につけておくべき文法・表現・ニュアンス」、30回x5項目=150項目

(2)「帰国子女にはわからない英語上達法 ビジネスマンのための専門用語総括

以下、日本語/英語となっているので、日本語のあ行からスタートしている。

第1回 あ行
第2回 か、き
第3回 く、け、こ
第4回 さ、し
第5回 す、せ、そ
第6回 た行
第7回 な行、は、ひ
第8回 ふ、へ、ほ
第9回 ま行、や行、ら行、わ行
第10回 会計用語