先日、「有田焼創業400年記念イベントと有田焼基礎の基礎」をアップしたが、銀座和光でイベントが開催されることを知った。一番好きな「柿右衛門の世界」で、15代酒井田柿右衛門氏によるトークも予定されている(23日実際に参加)。
有田焼創業400年 柿右衛門の世界─受け継がれる技と美─
「有田焼創業400年記念イベントと有田焼基礎の基礎」で、「個人的には1980年代末以来縁のあった欧州陶磁器を知る過程で、有田焼には出会い、最近では2014年2月に襲名した15代酒井田柿右衛門が同年7月、日本橋三越で開催した個展を鑑賞した。」と書いた。再び直接作品を鑑賞できる機会に恵まれ、非常に楽しみにしている。
日本で初の赤絵付けの技法「柿右衛門様式」を開発し一世風靡したことで有名な酒井田柿右衛門は、今もなお、色鍋島の品格を守り続けている今泉今右衛門、唐津の中里太郎右衛門窯とともに三右衛門と呼ばれる。以下の本や酒井田柿右衛門のHPは非常に分かりやすく整理されている。本の作者である故14代酒井田柿右衛門は勿論人間国宝。
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今回、銀座の和光で「400年の歴史を刻む日本有数のやきもの有田焼を代表する柿右衛門窯の全容に触れる」とのこと。当代である15代 柿右衛門の瑞々しい感性に溢れた花器や香炉、ぐい呑など約50点、品格に満ちた伝統に則った柿右衛門窯の食器を中心にした約100点、柿右衛門窯の歴史的背景がわかる歴代の作品も展示される
<10月23日、午後2時からは15代 酒井田柿右衛門氏のよるギャラリートークに行ってきた>
会場では15代の作品を中心に販売・展示されていて、13代・14代の作品も鑑賞できた。15代によるギャラリー・トークは、有田焼400年の歴史、柿右衛門洋式の歴史、仕事の流れ、道具の説明、13代・14代作品の説明など、穏やかな人柄を感じられる良い機会だった。
特に、初代柿右衛門が最初に作品を売ったのは加賀藩の者であった話、5代の書き記した製法をもとに12代・13代親子が濁手素地復活を成功させた話、13代は上絵具調合法よりろくろの者としあてにせず、12代は14代に直接、上絵具調合法を教えていた話、14代は全ての色を使うようにしてた話、興味深い内容がたくさんあった。
15代は2014年に柿右衛門を襲名して5年程度はいろいろとトライしてみて、独自の世界をじっくり固めていきたいとおっしゃっていた。
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- 有田焼創業400年記念イベントと有田焼基礎の基礎
創業400年となる有田焼も多くの美術館に所蔵されており、「世界に誇る日本人芸術家の作品を結集したシンボリックな美術館を東京に創設できないか」に通ずる日本を代表する芸術だと思う。