日本初の磁器として、佐賀県が世界に誇る有田焼は、徳川家康やシェイクスピア没後400年でもある2016年、創業400年を迎え、佐賀県が中心となり、数年前から国内外の数多くの記念イベントを開催してきた。東京でも年内まだイベントが残っている。
有田焼創業400年記念イベント
1616年、朝鮮陶工李参平 有田泉山に白磁鉱を発見して以来400年を迎え、佐賀県が中心となり、数年前から国内外の数多くの記念イベントを開催されてきた。個人的には1980年代末以来縁のあった欧州陶磁器を知る過程で、有田焼には出会い、最近では2014年2月に襲名した15代酒井田柿右衛門が同年7月、日本橋三越で開催した個展を鑑賞した。14代が亡くなる前後にはテレビ番組でも親子の技術継承を含めた特集が組まれており、興味を持って見ていた覚えがある。
以下は年内東京開催の鑑賞や買い物用イベント(コメントはHPから抜粋。個別リンクは私が添付。)。既に、10月9日(土)、「有田焼創業400年記念イベント(六本木ヒルズ 森美術館)にまで隈研吾氏作品が登場!」をたまたま鑑賞できた。
- 必見!柿右衛門の世界(有田焼創業400年記念) 銀座和光で開催(10月21日-30日)、10月5日(水)に追加で添付。最も行きたいイベントだ。
- 「明治有田 超絶の美 万国博覧会の時代」9月24日(土)〜12月4日(日) 泉屋博古館分館
明治時代に貿易が自由化されると、細やかな絵付けと精緻な技巧を凝らした有田磁器は、1873年(明治6年)開催のウィーン万国博覧会で好評を博し、その後も世界各国で開催された博覧会を中心に絶大な人気を誇りました。
国内でも、近代日本初の迎賓施設である延遼館(えんりょうかん)、鹿鳴館(ろくめいかん)や明治宮殿など、国内外のお客様をもてなす場で用いられた有田焼洋食器は、饗宴に華を添えました。
延遼館は上記添付記事のように、浜離宮恩賜庭園内にあった迎賓施設で舛添前都知事が、2017年着工・2019年度末の完成を目指し東京オリンピック・パラリンピックのVIP客をもてなすとしていた。予算が不透明であることもあり、小池都知事がどのような判断を下すか注目される。
延遼館、鹿鳴館とも、「旧岩崎邸庭園 建築120周年記念イベント開催、ジョサイア・コンドルが主役!」で取り上げたジョサイア・コンドルが設計を手掛けている(前者は改修に関わった)。
- 「快楽の磁器-有田の化粧道具」10月15日(土)〜12月4日(日) 伊勢半本店 紅ミュージアム
江戸時代の化粧道具を通してみる、有田窯業の展開を紹介する。化粧道具は、日用品ではあるが、華やかで悦楽な容器が多く、非日常を演出してくれるアイテムでもある。磁器生産がもたらした人々の生活様式の変化とともに、そこから生まれた化粧道具の色とりどりを見ることができる。
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伊勢丹新宿店で「ARITA 400PROJECT ~クリエーターが描く有田焼~」開催 [10月19日-25日]
有田焼「ARITA 400project」と三越伊勢丹グループによる「JAPAN SENSES」の取組とのタイアップにより、伊勢丹新宿店本館1階のザ・ステージをはじめ5つのエリアでテーマ別の有田焼展示が行われます。
本館1階のザ・ステージでは、「クリエーターが描く有田焼」をテーマに、ゲストクリエーターである佐藤可士和氏とARITA 400projectプロデューサーであり工業デザイナーの奥山清行氏による作品を、本館5階のキッチン・ダイニングでは「伝統×モダンの名窯の有田焼」をテーマにメゾン・エ・オブジェへ出展した8事業者の商品を展示販売します。
その他にも本館7階催物場では「マルシェで出会う日常の有田焼」、本館地下1階キッチンステージでは「料理と共鳴する有田焼」をテーマに有田焼の魅力を紹介します。
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西武池袋本店 [10月19日(水)〜25日(火)]有田白磁名匠展
井上萬二氏は轆轤技を追求し、他の追随を許さない造形美豊かな白磁の世界を確立、重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定され、陶芸家としての頂点を極めました。
本展覧会では、米寿を迎える今日も日々作陶に励む井上萬二氏に加えて、その子息で独自の感性で新たな白磁を切り拓いている康徳氏、萬二氏に師事し、当初は白磁より作陶活動をスタートさせ、現在はそれぞれ自身の意匠を追求する庄村健氏と中尾恭純氏の四人の作家による師弟展として開催いたします。
人間国宝と三右衛門
歴史ある産地の風土の中から人間国宝を輩出し、今日では有田の井上萬二氏と14代今泉今右衛門氏は白磁と色絵磁器の、武雄の中島宏氏は青磁の技術保持者として人間国宝に認定されています。14代今泉今右衛門は父である13代に続いて親子二代で、当時、51歳という若さで陶芸分野では史上最年少の認定となった。
三右衛門とは、日本で初の赤絵付けの技法「柿右衛門様式」を開発し一世風靡したことで有名な酒井田柿右衛門、今もなお、色鍋島の品格を守り続けている今泉今右衛門、唐津の中里太郎右衛門窯をいう。
以下の本や上記添付の酒井田柿右衛門のHPは非常に分かりやすく整理されている。本の作者である故14代酒井田柿右衛門は勿論人間国宝。
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ブログ内有田焼関連
- 三田 綱の手引坂・日向坂(2)綱町三井倶楽部と旧簡易保険事務センター、明治時代、有田焼洋食器が使われた鹿鳴館の写真掲載。ジョサイア・コンドルが設計した綱町三井倶楽部とのつながり掲載。
- 築地 東京中央卸売市場跡地再開発(6)浜離宮恩賜庭園、明治時代、有田焼が使われた延遼館は浜離宮の中にあった。
- プチリッチな敬老の日プレゼント2016(13) 欧州名窯の陶磁器、1640年代スタートした柿右衛門は1700代にスタートした欧州陶磁器に影響を与え、特にマイセンは「柿右衛門の写し」で有名だ。
- 大マイセン展 西武池袋本店で2016年9月6日(火)〜11日(日)に開催、絵付実演あり、今秋もマイセン展は他の百貨店でもいくつか開催されていた。ドイツのマイセン美術館では「柿右衛門の写し」である作品を鑑賞した。
創業400年となる有田焼も多くの美術館に所蔵されており、「世界に誇る日本人芸術家の作品を結集したシンボリックな美術館を東京に創設できないか」に通ずる日本を代表する芸術だと思う。