『水鏡推理』(松岡圭祐著) 「祝・大隈良典さん 2016年ノーベル医学・生理学賞受賞」を機に考えること


先月から、松岡圭祐著『水鏡(すいきょう)推理』シリーズを読んでいる。「大隈良典さん 2016年ノーベル医学・生理学賞」という素晴らしいニュースが流れているが、発明・発見過程の末端では、税金投入をめぐって悩ましいい攻防があるのだなと思い知らされる中身となっている。

松岡圭祐の『水鏡推理』シリーズと税金投入の是非

松岡圭祐の『水鏡シリーズ』は、『水鏡推理』、『水鏡推理Ⅱ インパクトファクター』、『水鏡推理Ⅲパレイドリア・フェイス』(表記は文庫版を活用)に続き、第4弾『アノマリー」が10月14日、講談社から刊行される(単行本版・文庫版同時刊行)。私は第3弾を読んでいる最中だ。

文部科学省の事務官・水鏡瑞希(みかがみ・みずき)が「研究における不正行為・研究費の不正使用に関するタスクフォース」に所属し、捏造・不正をあばくという「殺人のないミステリ」である。その他の松岡圭祐主要作品は以下の通り。

  • 『万能鑑定士Q』シリーズ 綾瀬はるか(凜田莉子役) 映画
  • 『探偵の探偵』 北川景子(紗崎玲奈役) ドラマ 
    #「探偵の探偵」は4部作ではありません。「探偵の鑑定」をもって、本当の完結を迎えます(HPより)
  • 「特等添乗員α」シリーズ 映画化・ドラマ化? (浅倉絢奈役)

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冒頭で「税金投入をめぐって悩ましいい攻防」と書いたのは、将来の結果がより見通しにくい各文野の基礎研究・イノベーションに、限られた予算の完璧な配分などありえようがないということだ。本当に優秀な役人には、天下りなど関係ない真剣勝負の世界でそれなりの報酬をしっかり払うべきではないかと思えるほどだ。

予算を取るための不正・捏造などもってのほかだが、必要性が理解されず研究を断念せざるを得なかった例は枚挙にいとまがないものと推察される。今回の大隈良典さんのノーベル医学・生理学賞を取られたり、社会の役に立つような結果を出された方でさえ、インタビューなどを聞いていると何かしら似たような経験はされたことがあるようだ。大隈氏の「若い人には、サイエンスはすべてが成功するわけではないが、チャレンジすることが大切だと伝えたい」というコメントが印象的だ。

一方、もし、数々の不正・捏造行為が暴かれることなく、もしくは不正はなくとも知識不足・熟慮不足などにより何百億円もの予算がとんでもない使われ方をされていたとしたら、本の中にも出てくるが、2020年東京オリンピック・パラリンピックの新国立競技場など関連施設の話やSTAP細胞の話と同様の悲劇といえる。