山形県で開発された黄金糸「人工合成クモ糸繊維」 スパイバー(Spiber)がアウトドアブランド「THE NORTH FACE」の「ムーンパーカー」販売へ準備中


山形県鶴岡市にあるスパイバー(Spiber)という会社が世界初の技術を用いた「人工合成クモ糸繊維」を使って、ゴールドウィンのアウトドアブランド「THE NORTH FACE」のアウタージャケット「MOON PARKA(ムーンパーカー)」の販売に向かって準備中だ。

スパイバーSpiberの何がすごいのか(添付HPから簡潔要約)

「人工合成クモ糸繊維」は石油由来の素材にとって代わるポテンシャルのある、「タンパク質」を原料とした新素材。鋼鉄の340倍という異次元のタフネスを有する「クモの糸」をはじめとするタンパク質は、20種類のアミノ酸の組み合わせにより多種多様な素材を生み出すことが可能な素材の「プラットフォーム」である。

機能性と環境性に優れ、テーラーメイドで多品種少量生産でも低コスト化が可能という、とてつもないポテンシャルをもつ新世代の基幹素材として期待されている。遠くない将来、金属やガラス、ナイロンやポリエステルのように、人類がタンパク質を使いこなす時代が到来する。

まずはアウトドアフィールドから実用化(上記添付HPから簡潔要約)

アパレル分野は約2兆ドルの巨大産業で、輸送機器分野や医療分野に比べれば開発から市場への投入までの期間が短い。その中でもより高度な機能性や環境性が求められ、市場規模も大きく、タンパク質素材が切り拓く世界観との親和性が高いアウトドアは、タンパク質を素材として産業的に使いこなすための入り口にふさわしいフィールドといえる。

産業化に向けた大きな課題となっていた発酵プロセスにおける圧倒的な低コスト化を実現した。発酵生産実験を本格的に開始した2008年から、生産性は4,500倍にまで向上。その結果、発酵プロセスでの製造コストは1/53,000になった。そしてついに大規模な普及を目指せるコストでの生産が視野に入った。

アウトドアブランド「THE NORTH FACE」のアウタージャケットMoon Parka「ムーンパーカー」 (添付HPから簡潔要約)

そして今、このアウトドアフィールドにおける世界的なリーディングブランドであるゴールドウィンの「THE NORTH FACE」とともに、新時代を切り拓く準備が整った。実際の工業ラインで製造された世界で初めての人工タンパク質素材が使われた衣服だ。このプロトタイピングを通じ、工業化プロセスの確立に向けて多くの課題を把握することができ、実用化に向けて準備中だ。

スパイバーは次なる目標として、自動車生産医療分野へのクモ糸繊維活用を掲げている。

対外的アピール活動

  • 2016年8月4日、カンブリア宮殿に関山和秀代表が出演

アパレル業界でも広まっている「人工クモ糸」の量産化に挑戦している姿が放映された。放映前にスパイバーに出資したゴールドウィンの株が急騰。

クモの糸は今までの合成繊維に比べて強くて軽く、ナイロンを超える伸縮性を有する新素材として長年にわたり注目が集まっている。山形に本社を構えるスパイバーはこれまでの研究者が成し遂げられなかった人工クモ糸の量産化に挑んでいる。

  • 2016年5月23日、G7 伊勢志摩サミット2016年でMoon Parka展示
  • 2015年9月26日、開発を進めてきたクモフィブロインベースのタンパク質素材「QMONOS」を用い、THE NORTH FACEの “ANTARCTICA PARKA” をベースにしたアウタージャケットのプロトタイピングに成功した。この歴史的プロトタイプを “MOON PARKA” と名付けた。