三陽商会 x 銀座タワー x 青山ビル x 本社ビル vs 不二家銀座土地建物売却


本業低迷中の三陽商会だがキャッシュリッチである上に、銀座、南青山の一等地に簿価の低い土地を保有している。2017年9月25日、不二家が銀座6丁目の土地・建物を売却し、譲渡益約190億円を特別利益として計上すると発表した。

本業は低迷中も、豊富な資産に恵まれる三陽商会

ブログ内で「三陽商会復活へ道」(末尾に1~5を添付)と題し、2015年の英国バーバリーとの契約解除後、ブランド数・店舗数を減らすなどの構造改革を終え、2017年1月に就任した岩田新社長の元、2017年2月14日に発表した新経営計画に基づいた施策をスタートし始めている同社をフォローしている。

==>(追記)2017年10月12日日経朝刊(添付は有料記事のため一部のみ)に不動産業界が注目するビルとしての青山ビルの存在、銀座タワーなどの優良資産の存在、資産に甘えての危機感の無さ、などなど以下のブログ内で取り上げてきたようなことがレポートされている。大幅にディスカウントされている今、ファンドなどが買い付け、大幅経営改革が必要であると揶揄しているかのように聞こえる文章になっている。

技術力には定評があるもののまだ本業面の復活の兆しは見えていないが、1)PBR0.45倍(2017年9月28日現在)に甘んじていて、2)時価総額200億円程度で、3)銀座・南青山・四ツ谷の自社ビル含み益が大きい同社のような企業は自社株買いでもしないと、どこかにコントロールされることになってしまうとも思ってしまう。2017年2月には、『敵対的買収防衛策の廃止』で買収しやすい環境に変えてきている事実もある。

米国で高級スーパーマーケットチェーン「ホールフーズ・マーケット」を買収し、食品スーパー実店舗を手に入れ、ネット販売にも利用し、日本国内では本気でファッションを強化すると思われるアマゾンなどはこのような企業をどう思っているのだろうか。

==>2017年10月4日配信、三陽商会 x 不二家銀座土地建物売却益 x アサツーディ・ケイ TOB x アマゾン?

==>2017年10月16日配信、アマゾンが自社ブランドのスポーツウェア生産へ

村上世彰氏著「生涯投資家」がベストセラーになっているが、特に東京スタイル(現在のTSIホールディング)への投資の経緯などを読むと、上記の妄想が一層膨らむ。村上世彰氏は、日経ビジネス2017年7月17日号「こんな会社がねらわれる」特集に登場している。

同業のオンワードは自社が12.8%保有し筆頭株主、TSIホールディングも自社が7.6%で筆頭株主で、日本政策投資銀行が7.4%で第2位株主になっている点も興味深い。同社は2017年7月10日、新たに1.92%と自社株買いを実施すると発表した。

米投資ファンド・ベインキャピタルによるTOBにより非上場化し、将来再上場を目指すアサツーDKのような道を辿るのも浮上する1つの方策だ(2017年10月3日配信、ベインキャピタルによるTOB x アサツーディ・ケイ x すかいらーくなど)。

2017年9月25日、不二家が銀座6丁目の土地・建物を売却し、譲渡益約190億円を特別利益として計上と発表したのをきっかけに、以下に三陽商会の主要保有土地を整理する。

帳簿価格の低い土地保有(銀座、南青山、本塩町)

直近の有価証券報告書のP16にある帳簿価格の低い土地保有(銀座、四ツ谷、南青山)も全く評価されていない状況だ。時価総額200億円の意味は何かと思ってしまうほど、かなり贅沢なアセットとなっている。実際の土地取引は路線価の数倍(ケースバイケース)で取引される。

1)銀座中央通り沿いの自社ビルである三陽銀座タワー(銀座8-8-9、冒頭写真)

2000年に27.29億円(371平米、坪単価約2427万円)で取得。同じ中央通り沿いの銀座7-7-19のZARAが坪単価約1.2億円(2017年公示地価)となっている。銀座タワーだとどの程度か。新橋寄り隣には博品館があり、さらに新橋寄りには中国人を中心とした訪日外国人のバスが常時止まっている。
#建物及び構築物を入れると41.19億円の簿価。
#上記の不二家の土地建物は同じ中央通り沿いの銀座6丁目にあり、この記事の推定だと譲渡単価は坪単価2億円をはるかに超えるとある。要は実際の地価よりかなり高いところで取引されている。

銀座6丁目もGINZA SIXが2017年4月にオープンして以来、益々賑わっているエリアだ。因みに、GINZA SIXの不動産会社ヒューリックは同施設の区分所有権(8階のオフィスフロア部分)を米不動産ファンドのグリーンオークに200億円強で売却した。

現在、この自社ビル内各階に同社主要ブランドが入っているが、業績の行方次第では様々な提案が株主からもたらされる可能性があり、注目される。

2)乃木坂駅に隣接する青山ビル(港区南青山1-24-3、以下に写真添付)

==>2018年2月5日配信、三陽商会青山ビル売却

青山ビル。手前の東京ミッドタウンから外苑東通りを数分歩くと中央に見えてくる。
青山ビル。乃木坂駅にほぼ隣接。右側には桂由美ビルが建つ。
青山ビル
青山ビルの裏から。手前の低層建物も同社の土地内。

3)四ツ谷駅に近い本社ビル(新宿区本塩町14、以下に写真添付)

本社は1969年に40.28億円(4515平米、坪単価約294万円)で取得し、2012年9月にリニューアル竣工。2017年7月22日に「三陽商会、新社屋の建設を再開 拠点集約で効率化 」と、本社に隣接する新社屋建設(アネックス、#敷地面積2245.05平米)が着工したが、賃借中の九段ファーストプレイスビルから移転・入居を行うことで、賃貸料削減・業務効率化を目指す。本社は四ツ谷駅から市ヶ谷駅に向かう外堀り通り沿いにほぼ建つ。
##建物及び構築物を入れると55.6億円の簿価。

全く不明だが、上記の青山ビルを売却した場合の人員移転も計画されているとしたら、会社全体の構造改革としてかなりポジティブな効果をもたらすことになる。

三陽商会本社
三陽商会本社

アネックス新築工事
アネックス新築工事
外堀通りから靖国通りに向かう道。左側手前が本社、その先がアネックス新築工事。

四谷駅から市ヶ谷駅に向かう外堀通り沿い左側の再開発。三陽商会本社の手前にある。

ブログ内三陽商会関連

 


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